ストーカー被害とは

スマホの乗っ取りなども横行

「ネットストーカー」のトラブルは、「つきまとい」だけに止まらず、パソコンやスマホの「乗っとり」や「ハッキング」も深刻化しています。一昔前までは、こうした行為は相応の知識やスキルが必要でしたが、最近では専用のアプリやツール、ウィルスなどが簡単に入手でき、誰もが安易に行使できる状況になっています。パソコンやスマホを乗っ取って遠隔操作することにより、メールやSNSの盗み見、盗撮や盗聴、サイトの閲覧履歴・検索履歴やネット通販の購入履歴の監視、スマホの位置情報の監視などから、データの書き換え・破壊・漏えい、「なりすまし」による犯罪行為などまで、多種多様な被害が発生しており、その件数は年々増加しています。さて、ここでは、近年に起きた事件をいくつか見ていきます。

スマホの乗っ取りなども横行

ネットで執拗に元交際相手の
情報を集め、脅迫・殺人

2012年11月6日、神奈川県内のアパート1階居間で当時33歳の女性が刃物で刺殺され、犯人の東京都在住の元交際相手の当時40歳の男性が、同じアパートの2階の出窓にひもをかけ、首吊り自殺を図りました。2人は2004年頃から2年ほど交際して別れ、被害女性は2008年夏に結婚して転居していましたが、元交際相手には隠していました。2010年4月頃に被害女性の結婚を知った加害男性から嫌がらせメールが届くようになり、メールは次第にエスカレート。2011年4月には「刺し殺す」などと被害女性を脅すメールが1日に80通から100通送りつけられたため、女性はその旨を警察に相談。一旦は脅迫罪容疑で加害男性が逮捕され、被害女性の家に防犯カメラが設置されたものの、やがて嫌がらせが収まっていたこともあり、防犯カメラを返却しましたが、直後に殺人事件が起こったようです。

ネットで執拗に元交際相手の情報を集め、脅迫・殺人

女子高生宅のクローゼットに
潜んで友人にメッセージ

2013年10月8日、東京都三鷹市の路上で「女の人が刺されている」と110番通報がありました。この東京・三鷹市で起きたストーカー殺人事件で、逮捕された男は、女子高校生の自宅のクローゼットで待ち伏せし「かなりストーカーじみたことをしている」などとの メッセージを友人に送っていたことがわかったそうです。この容疑者は、犯行直前にクローゼットで待ち伏せをしていた際、スマホの無料通話アプリで、友人に「元カノのおしいれにて」「ふんぎりがつかないからかなりストーカーじみたことをしている」「神様反省してるので助けてください」などと送っていたことが新たにわかり、「詰みだわ」とのメッセージを最後に連絡が途絶え、その2時間半後に女性を殺害したものとみられています。

女子高生宅のクローゼットに潜んで友人にメッセージ

SNSに卑猥な言葉や隠し撮り写真をアップ

時事通信などの報道によれば、ストーカー規制法違反の疑いで金沢市に住む34歳の男が石川県警に逮捕されたとの事。男は2016年10月から12月にかけて、女子高生のSNSに16回にわたり「スカートをめくりたくて仕方ない」などと書き込み、実際に付きまといもしており、容疑を認めているそうです。ネット上では、この男のものとみられる2つのSNSアカウントも特定され、今回の女子高生のSNSに投稿したと思われるつぶやきが並び、さらに、ターゲットにした女子高生だと思われる隠し撮り写真も並べていて、卑猥な説明文を付けていた模様です。

SNSに卑猥な言葉や隠し撮り写真をアップ